エーデルワイスも 毒の茸も

練習日記 2023年8月29日  Yuri

 

8月も終わりだというのに‘危険なほどの猛暑’が日常になってしまったような日本列島です。

 

そうした中でも、あちこちで工事をしている方たちの頑張りには本当に頭が下がる思いです。(我が家のご近所では、なぜかあちこちで足場を組んだ工事が進んでいます。)

 

また、スポーツ選手たちの活躍にも、大喝采ですね!(バスケットボール男子のアジア大会、事前にはとても勝ち味はない、と言われていた日本チームの、相次ぐ大逆転には、ほんとうに感激しました!(多分ここまで来るには、地道な体力づくりと、練習がずっとずっと続いてきたのでしょうね)

 

比較してはおこがましいのですが、わがコールドリームも、猛暑にも京成線の事故にもめげす、ほとんどの団員が熱心に練習に参加しました。

 

今週は、「一人は賑やか」に言葉をつけ、仕上げを目指した練習です。

 

まず、後半、特に71小節からの締めくくりの部分を、♪マママ♪で丁寧に復習しました。ここからは音楽が変わるので、意識して入っていきます。男声は3部に分かれているうえに、ところどころ4部になるところもあり、たいへんです。でも、さすが少数精鋭を誇る皆さんお一人お一人がきちんと音を確保しながら素敵な響きです。

 

いよいよ言葉つけです。茨木のり子さんの詩の一連目に言葉をつけて歌いました。

 

  一人でいるのは 賑やかだ

  賑やかな賑やかな森だよ

  夢がぱちぱち はぜてくる

  よからぬ思いも  湧いてくる

  エーデルワイスも 毒の茸も

 

「エーデルワイス」は、ヨーロッパでは「純潔」を象徴する花とされているそうで、 ドイツ語で白を意味する「weiß(ヴァイス)」と高貴を意味する「edel(エーデル)」とが合わせて「edelweiss(エーデルワイス)」となっているそうです。(*webによる) 「Edelweiss」という歌を、映画「The Sound of Music」 の中で、ジュリー・アンドリュースが歌っていましたね。(あの歌の中では、’エーデルヴァイス’とドイツ語読みで歌っていたように記憶しています。)

 

「エーデルワイス」と「毒の茸」??? すごい対比ですね。一人の人間の心の中で、この両方が葛藤しているということなのでしょうか?

 

茨木のり子さんとその詩については、先週からにわか勉強で、「茨木のり子詩集・言の葉3」と、「清冽 詩人茨木のり子の肖像」(後藤正治・中央公論社2010)を読んでいるところです。(団の中にもすでに読んでいる方がいらっしゃいます。)

 

はじめて茨木さんに会った詩人の谷川俊太郎さんは、「背丈があって、目を引くほどの美人でしたね。躾の良さがにじみ出ていて、折り目正しい人柄もいい・・・・・・・・・・」、と語られていたそうです。

 

茨木さんの詩は、平易なことばの中に、深い意味を込められていて、「一筋縄ではいかない」という印象です。

代表作と言われる「自分の感受性くらい」の出だし、

「ぱさぱさに乾いてゆく心を 人のせいにはするな みずから水やりを怠っておいて ・・・・・」や、

「倚りかからず」の出だし、

   「もはや できあいの思想には倚りかかりたくない・・・」

「一人は賑やか」にも、同様の思いが感じ取れるような気がします。

 

三善晃先生の曲は、マママで歌っているうちは、Moderato で温かい感じが(私には)したのですが、言葉をつけて歌うと、やはり「一筋縄ではいかない」のですね。メロデイはきれいですが、アルトは「毒の茸」を担当しているような気がしました。(ひがみかも??) 皆さんはどう感じられましたか?

 

最後の「毒の茸も」の「も~~~」の音などは、「ミ」と「ソ」と「シ」の音は出ているものの、「どこか違う」と先生は悩まれていました。「ホ短調」で終わる」という感性が足りないようです。次回に期待しましょう。

 

「冬景色」の練習に入ると、なんだか故郷に戻ったような気がしたから不思議です。

 

最後は♪On the Sunny Side of the Street♪で締めくくりました。この曲は演奏会では暗譜で歌いたいとW

先生はおっしゃっています。

 

10月22日には、久しぶりに谷津公民館の「バラコンサート」が予定されていて、これも久しぶりに、副指揮者のY 先生が指揮をしてくださいます。コンサートでの持ち時間が30分あるので、今練習している曲をほとんど全部歌うそうです。楽しみですね。

 

Y先生の指揮も楽しみです。W先生が現職で東京にお勤めの頃には、毎回の練習の最初の30分以上をY先生が担当してくださり、私たちの苦手な部分などを、実に丁寧に教えてくださいました。今でも、最後列から正しい音を出してくださいますので、私などは自分で音を取れないときには、Y先生のお声をヒントに歌っております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

9月に入っても、まだまだ猛暑は続くようです。それでも、ご近所の柿の実が色づいてきました。どこかで秋が出番を待っているようです。「秋深し」という日が早く来ますように。