涙は おまじない?

練習日記 2023年11月21日  Yuri

 

ここのところ穏やかな日が続いています。コロナが5類になってから、いろいろな行事が戻ってきて、マスクをつけない方も増えてきました。日本の社会は、一見平和ですが、世界のニュースを見ると、心も凍るような思いがします。私たちに何かできることがあるのでしょうか?

 

せめて、みんなで集まって、歌うことのできる幸せをかみしめたいと思います。最近男声のメンバーが増えてきて、声に厚みが増しているようで嬉しいですね。

 

今回の練習は、(1) 「それが涙だというのなら」の最後までの言葉つけ、(2)「Missa brevis St. Joannis de Deo(聖ヨハネのためのミサ・ブレヴィス)」の最初の曲「Kirie」の仕上げ、でした。

 

☆「それが涙だというのなら」(銀色 夏生 作詞、三善 晃 作曲)

 

後半、Dからの丁寧練習、そして言葉をつけて通して練習しました。

「涙」が「悲しみ」のせいならば、どうしてしっかり握りしめて離さないのだ、という問いかけを受けて、′君は、涙を、悲しみを必要として、♪おまじないのように持っていて、幸福の行方を決めさせる♪‘という締めくくりに至るまでの心の動きが歌われます。理屈ではない’ことばの魔法‘のようなものが感じられます。

 

曲も、その心の動きに添って、温かく優しく進んでいきます。「いい曲、いい曲」とつぶやかれる先生のお気持ちが、だんだんわかってきたような練習でした。先生からは、「知性」を感じさせるように歌ってほしい」というご注文がありました。

 

   Kyrie: Missa brevis St. Joannis de Deo(聖ヨハネのためのミサ・ブレヴィス)」より

 

Kirie」は、全部で6つの曲からなる「ミサ・ブレヴィス」の入りの曲として、ゆったりAdagioで展開していきます。敬虔な感じの曲で、きちんとハモったら、神様に届くような美しい曲だと思います。

 

12小節から16小節までは、歌詞は’Kirie'ではなく、♪Christe, eleison♪に代わり、f(フォルテ)で歌います。最後はまた♪Kyrie, eleison♪で締めくくります。特に、[Kyri--]は優しく柔らかく入り、[-son]は、のびやかに、喉を詰めないで、そっと歌い上げるような感じです。何よりも、清らかな気持ちで歌うことが大切、とW先生は強調されました。

 

他のパートと同じ音、ぶつかる音、自分のパートだけになる部分、などを、きめ細かに意識しながら歌わなくてはなりません。R子先生の伴奏だけを、ときどき聞かせていただきながら、ハーモニーの美しさに気付かせようとしてくださいました。

 

先生の、たいへん細やかな、熱のこもったご指導のもと、何度も何度も練習しているうちに、かなりきれいにハモってきたようで、ふと、自分が曲の中に浸り込んでいるような不思議な感覚になりました。(皆さんはいかがですか???)

 

最後に、久しぶりに、「一人は賑やか」を通して歌いました。「思ったより良い」と、W先生はほっとなさったようでした。

 

茨木のり子さんの詩、銀色夏生さんの詩を選んで作曲された三善晃先生の思いを、歌うことを通して、少しでも理解出来たらなあ、と思って練習しています。

 

来週から「うたの森」は「道」,ミサ・ブレヴィス」は、2曲目の「Gloria」に進みます。

 

寒さが厳しくなるようですので、冬支度を点検しなくては・・・。皆さま、お風邪など召されませんように・・・。