5月も後半に入り、日差しが長くなって、練習開始の6時ごろには、目の前の窓から、落ちていく夕陽が美しく空を彩っているのが見えるようになりました。ついちょっと前までは、真っ暗だったのでしたが・・・。
最初は、HAYDNの「ミサ・ブレヴィス」の最終章、「Agnus Dei (神の子羊」の復習です。先週までに一通り音は入っているのですが、丁寧に復習しました。
最初に、バスだけが♪Agnus Dei♪と入るところは「完全音程」と言って、完全4度と完全5度で構成されています。とても大切な小節で、美しく入らなければなりません。
他のパートは、それを聴きながら、次のハーモニーをイメージします。でも、それをイメージしようとしている‘風情(ふぜい)’が、‘一列目からも二列目からも三列目からも(つまり全員から)まったく感じられない’と嘆かれるW先生でした。
3小節目からは、他の3パートが♪Qui tollis peccata mundi, miserere nobis(世の罪を取り除かれる 神の子羊よ、われらを哀れみたまえ)」♪という歌詞が繰り返されます。
そして、後半の33小節から最後までは、♪Dona nobis pacem (われらに 平和を 与えたまえ)♪という言葉が、何度も何度も繰り返されます。(世界のあちこちで紛争が起こっている現在の私たちの思いと、この時代の人たちの願いとが、重なるような気がしました。)
ほんとうに美しい曲ですね。これで「ミサ・ブレヴィス」の音取りは終わり、11月の演奏会の曲はすべて音取りが終わったことになりました。(問題はこれからですね。)歌詞つけは来週になるようです。
休憩後は「一人は賑やか」の練習です。茨木のり子さんの詩は、最初は、言葉の激しさにたじろぎますが、W先生がおっしゃったように、歳を重ねてくると、「本当にそうだなあ」と思われ、人間の心の本質(?)に触れたような気がします。その詩の心を生かした曲をつけられた三善晃先生と合わせて、「天才」っていらっしゃるのだなあ、なんて思いながら歌っています。
かなり歌い慣れてきたのですが、とても複雑な曲なので、そろわない所、ハモらない所がまだまだたくさんあり、時間をかけて丁寧に練習しました。「要所要所できちんと指揮を見て歌う」ということがとても大切です。
最後に「牧場の朝」を復習しました。W先生から、作曲家の船橋栄吉氏について、簡単なご紹介がありました。大正時代の終わりころベルリンに留学され、明治、大正、昭和にかけて、東京音楽学校(今の芸大)の先生として活躍された方で、藤山一郎さんは門下生のお一人だそうです。作詞者不詳となっていますが、「杉山楚人冠氏」だという記録もあるようです。最初の2曲と比べると、平明な感じがして、心が牧場の彼方に広がっていくような気がしました。
最近の練習では、他のパートの音を聞きながら、ハーモニーを作っていくことに重点が置かれ、曲の中でも、パートと他のパートとの、音のつながりや対比を、先生が詳しく教えてくださいます。練習の進度はゆっくりですが、その分、密度が濃くなっています。
以前は、演奏会前には、先生の気合がものすごく、激しいお言葉も飛びましたが(失礼!)、最近は、お褒めの言葉が増えて、お優しく感じられます。(もしかしたら、私たちにいくら気合を入れても無理なんだ、とあきらめの境地にいらっしゃるのかも???)
でも、甘いかもしれませんが、私たちの合唱も、おかげさまでかなりレベルアップしているようで、他のパートをお聞きしていると、思わず拍手をしたくなることがあります。演奏会においでになる方たちをがっかりさせないよう、残された日々、練習に励みたいですね。
皆さま、コンデイッショニングに気をつけましょう!
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